2013/09/24
半沢直樹のどこに共感するか。
珍しく連ドラをそれなりに通して観た、半沢直樹。「笑顔で喜怒哀楽が表現できる俳優」堺雅人と、「もはや中車」香川照之のバトルがやたら話題になってますが、よく考えたら他だって歌舞伎関係者がぞろぞろの、勧善懲悪物語だったわけで、時代がこういうカタルシスを求めているのかしらと考えるとちょっと考えモンなんじゃないかそれはそれで、って感じもしております。
エンターテイメントとしては最高峰の作品でした。凄まじい演技の応酬。ただね、「踊るシリーズ」も、「相棒シリーズ」もそうだけど、内輪モメストーリーが日本人は好きなんですかね。ただ単純に”真の敵は意外にも内部に!!”っていうどんでん返しとしての機能なら分かるんですけど、踊るとかまさにそうだと思うけど、”内輪の巨悪に立ち向かうカタルシス”で出来てるじゃないですか。あれが、完全に共感できない。日頃そういう圧を受けて悶々苛々している人がたくさんいて、彼らがスカっとしているっていうのが普通の理解ですが、だとしたら、そんなもん家に帰ってまで見たいんですかね。分からない。
自分は、そう考えると、ほとんどまったく今までの人生で組織におけるこの手の面倒くささに遭遇してこなかったんでしょうね。人には恵まれました。というのと、環境とはそもそも自らの心の映し鏡であって、周りが歪んで恵まれていない場所に映るときは、自分の心にも何かねじれがあると思うんだよね。奇しくも半沢も終盤、大和田常務への100倍返し画策中に「俺も大和田と同じ穴の狢なのかもしれない」といって、親友・渡真利がそれは違うと諌めるシーンがあるんだけどさ。同じとはいわないけど、それだけの労力をかけてまで身内を失脚させることに尽力する精神が単純に、全く共感できないという事実しかない。なんかそれって、不幸じゃないか半沢さん。あ、でも本人が望むのならそれでいいんだけどね。彼と自分の決定的な違いは、自分はそんなに他人に興味なんかないってことかも知れないけどw
半沢さんは望んであのように生きているからいいけど、あれを見て、「働くことや生きることを考え直しました!」とか、「明日からまたがんばれます!」とか言ってる人は、ちょっと分かんないわけです。「大和田常務の顔芸やばす」と言ってる人の方がよほど分かり合える。もっともっと、エナジーを外に向けた方が、きっとハッピーだよあなたもワタシも、半沢さん。だから、クライマックスの頭取の決断は個人的には、そうだよねって感じ。半沢さんの生き様はどこまでいっても最終的には、肯定されないし、されるべきじゃない。あなたの人生はもっと他の使い方があるよきっと。嫁が健気でかわいそう。
というわけで、私は内輪もめ勝手に盛り上がり系作品は、エンタメとして面白いかしか見てません。その上で、半沢直樹は、とってもいい作品でした。ちゃんちゃん。
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