こないだの日曜日は、文化的アクティビティを、
ということで、かねてより行きたかった落語の寄席に行ってまいりました。
in 浅草演芸ホール
10:30から開演して、
16:30までを昼の部、16:40から21:00までを夜の部として、
一日で総勢約60組の演者が代わる代わる登壇されます。
それだけ観れて、一日で2,500円!
(僕が行ったときは正月特別講演で3,000円でした)
入れ替え制ではないのですが、再入場はできないので、
入るタイミングと、いつまで居座るかがポイントですね。
で、多くの人がお目当てにされるのが、
昼の部・夜の部のそれぞれのトリですね。
僕は昼の部目当てで行ったので、桂歌丸師匠がそれになります。
それぞれの部のラスト1時間ほどを「仲入り」と言いまして、
実力者がどしどし出てくるのですが、仲入り一つ前の演者も人気者が配されてました。
昼の部は、春風亭昇太。ちなみに夜の部は三遊亭小遊三。
ワタクシは12時頃入って、昇太を聞いて、歌丸師匠フィニッシュコースでございます。
浅草演芸ホールは歴史と風格のあるたたずまいで、
さすが、東京オリンピックと同じ年の1964年に建てられただけありました。
想像通り、お年を召された方が大半ではあったけど、
結構、デートで来ている若者とかもちらほらいて、
確かにここで座れさえすれば一日楽しめるんだから、
いい休日の過ごし方やなあなんて思ったわけです。
再入場は出来ないけど、中の売店でお弁当や缶ビールも買えて、
朝から晩までいるんだろうなっていうおじいちゃんも何人かいまして。
で、寄席の中身は… すごく良かった!
落語はもちろん、曲芸や漫才、マジックなんかも
いろいろ出てきて、思っていたよりも全く飽きのこない
あっという間の4時間でした。
やっぱり、後ろに行くにつれて噺家さんのレベルは目に見えてアップしていって、
仲入り後の噺家さんはみんな総じて、爆笑爆笑でした。
個人的には、歌丸一門の一番弟子の桂歌春が、ベストアクトでした。
テンポを、観客と合わせて、半歩先に加速させるというか、
場に対してのリード力が自然で、気持ちよく巻き取られていく感覚は、
上手いプレゼンテーションとも通じる感覚で。
聞く側にも存在する「聞くテンポ」みたいなものを
しっかりと受け流せる人の話し方って、こういうことだなと思い出す感じ。
あとは、笑いにもこれだけの種類があるんだなと、
一日寄席を聞いていて発見できたのも良かったんですわ。
どんな笑いの前にも必ず、一瞬の驚き・違和感があるとどこかで読んだ気がしますが、
その、驚き・違和感からの、安堵・解消・理解が笑いになるとこで、
最初の違和感の種類が違うっていうんですかね。
昇太の笑いは、「あざけり・こけおろし」から来る笑い。
歌丸の笑いは「落ちへの伏線回収の巧みさに対しての感心」から来る笑い。
この二つだけとっても全く違う訳で、これを芸風というわけかと。
まさに、プレゼンテーション。
話芸で身を立てている達人たちの話を1日浴びるというのは、
笑けるのももちろんながら、僭越ながら大変勉強させていただきました。
今後も定期的に行こうと、フツーに思った。
しかし、10:30頃に3分だけ出て来れる若手が、
歌丸師匠の出順までのし上がれるのに、一生かかるわけで。
道だなあ。噺道というか。
ただ、歌舞伎を茶化した演目で笑い取ってた噺家もいましたが、
他の伝統芸能と違って、そこに悲壮感とか重圧を漂わせず、
自らの葬式さえも笑い話にしてやろうという、その世の中を見る目が、
凄まじい心意気だなと。さんまがかつて、
「泣かすのはカンタンやし、ずるい。笑かすことこそ、一番ハードや」
と言っていたのをふと思い出すような一日でした。
笑いを語るなんて野暮なことをしてしまいましたが、
何のことはない、浅草で遊んだだけなんだけどね。
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