2012/09/13
人に話を聞くことの奥深さ
昨日の朝刊に久々にコメントが載りました。この会社に転職して今の職責を担うようになって、インタビュー「される」側を初めて経験して、いろいろ面白い気づきがありました。
記者さんが我々のところにコメントを取材しに来る場合、大体記事構成っていうのは大まかには以下のようなことが多くて、
①導入・記事のテーマ出し
②マクロ的事象・データ (売上データ・アンケート結果など)
③現場取材部分 (○○に住んでいる会社員の○○さんは~~)
④有識者のコメント
⑤クロージング
みたいな流れがほとんどです。
④の部分があると、本文内容がたまたまの局地的な出来事ではなく、かつ消費者心理に基づいたしかるべき事象であることが伝わり、今後の展開への示唆としてのクロージングにスムーズにいけるっつーことです。
記者さんは、仮にどんなに自分でそう思っていてもそれを書くわけにはいかないので、有識者の口を借りるわけです。何を書くかと同等以上に、誰が言っているかが重視されるということが、記者の方と接していて改めて分かった。取材巧者な記者さんだと戦略的に、「私は全然この分野は不得意で・・・」とあえて謙って取材を始めることで、インタビュー対象に気持ち良く話させることなんかをやられていて、とても勉強になるわけです。
ただ、コメントを取られるこちら側にもやはりコツがあって、最初の頃は、刷りあがった誌面を見て「いやいやここだけ切り取られても・・・」って思ったり、「意図が違う」って思うこともありました。それはこちらにも責任があって、
・情報は絞って伝える。サービス精神でたくさん話してもいいことあんまりない。
・どんなに作為的に話の方向を引っ張られても、思ってないことは言わない。
・どう書かれるのか想像して、分かりやすいコトバを用意してあげる。
あたりのポイントをちゃんと意識して答えることがコツなんやなと。インタビューを取る側に回る場合はこれらを引き出せるように、気をつける必要があると翻って言えるわけです。特にコトバについては、独自の視点を持っている識者であることを伝える上でもこちらの腕の見せ所だったりするので、工夫しどこですね。「不況生まれデフレ育ち」「自分探しから生き方探しへ」「モテよりもウケ重視」などなど。
自らも人にインタビューをしたり、文章・言葉を書くことを仕事にしているからこそ、逆にそれを人から取られる体験からは得る事がめちゃめちゃ多いのです。まだまだ決して分かりやすい取材ソースではないだろうし、インタビューノウハウ以前に、知識が浅くていかんともしがたいのだけど、精進精進です。
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