2013/07/10

さよならGoogle Reader

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さようならGoogle Reader



そういえば、Google Reader が今週はじめに逝ってしまった。”そういえば”程度っちゃあそれまでなんだけど、冷静に思い返してみると、自分の企画のパーツの大部分は、このツールから拾ってきたんだなあと思って、ちょっとだけ黙祷してみてもいい気分ではあります。

社会人2年目のときくらいに、一向に体系化されない自分の情報収集手法にいらいらと混沌を覚えて、企画のときも欲しいときに欲しいアイデアの引き出しが開けないというか、ぐちゃぐちゃというか。それと何よりも、「ある一つの編集方針を持ったメディアを定点的に観察し続けること」によってしか分からない変化や移ろいは、検索のような点の情報摂取じゃ得られない感覚だと思ったわけです。むしろ、情報はそういった時系変化が命で、「どう移ろっていくか」そのものにも、情報があるってことに気付いたわけです。


RSSリーダーで有象無象の媒体を、それぞれを明確に峻別せずにごった煮にしつつ、でも各々の更新を経々に見ていくことは、そういう「変わり様」という情報を得る上でとても面白い体験であって、いろんなことを知ることが叶ってきたわけです。朝出社して、PCを立ち上げて、まずざーっと見る。それぞれの個別の記事は大体は流し読みなわけですが、毎朝届く1000あまりのポストをざっとスクロールさせながら、興味のアンテナに引っかかったものにSキーでお気に入り登録をかけ、後で移動時間などにスマホから読み込む。そこからメモするものをエバーノートに移植し、いざ企画の時間のときに、そこを読み返して、情報同士を頭の中で交配させる… それが基本スタイルだったわけです。


Facebookやtwitterの台頭でRSSリーダー不要論もささやかれるようになり、それはそれで言ってる意味は分かるのですが、冒頭に申し上げた通り、「ある意志を持った編集体(個人だろうが組織だろうが)による情報発信の時系変化」を追っていくという情報観察には、やっぱりある一定の役割を果たしているということは今も変わらないと思っております。SNSでも情報の時系変化は追えるといえばそれまでなのですが、何というかSNSは自分にとってのタイムラインという新たな文脈がそこによくも悪くも出来てしまっていて、キュレーションの深度が違う気がするわけです。RSSリーダーのその無為にただ記事の更新をポストし続けてくれる感じが、好きってだけかも知れませんが。

同時に発信者としても、ある程度まとまった文量を意図を持って構築できる能力は、これからどんどん差がついてくると思うのです。今やLINEのスタンプだけでノンバーバルに友達とやりとりをすることが主流みたいな高校生たちだって出てきているなかで、「しっかりと自らの意図が伝わる文章を書ける」こと。これには、こだわっていきたいし、磨いていきたいなと思うのであります。


まあいろいろ書いたけど、あっさりFeedlyに引っ越したわけだけど。スマホでの操作性およびFavoritesの一覧性がいいですね。他にももっともっと高度なことが出来るRSSリーダーはあるわけですけど、これでいいかなしばらくは。引き続き、朝のインプットは続きます。

2013/07/08

Andreas Gursky展に行ってきて

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こないだの週末、一瞬暇が出来たので、かねてより行こうと思っていた「Andreas Gursky展」に行ってまいりました。@国立新美術館  グルスキーの作品をはじめて知ったのは2年前の3/10。本トークというイベント(詳しくはこちら⇒旧ブログ)で、伊藤直樹さんがグルスキーの写真集を、マイベスト5な本の一冊として紹介していたことで知ったんです。その時は主に、例の有名な「RhineⅡ」についてのお話だったんだけど、是非一度、直に原寸でその視覚を体験したいと思い続けておりました。

アンドレアス・グルスキーがどんな人かの説明は、前書いたこのポストに丸投げするとして笑、特に感じ入った作品を、まあウェブ画像で見せても全く全然なんにも伝わらないし、これで観た気になってもらうのはこちらも心外っちゃあ心外なのだけど笑、載せながらレビュー。


[99 Cent] 1999


ロサンゼルスのディスカウントショップで。
無機質で規則的な水平構図に埋め尽くされた消費財の山と、
その間に散見される人の頭。
雑然としながらも個々の商品をはっきり視認できる。
スティッチング技法を使い、
現実よりも現実味のある、少し怖い画を切り出した作品。
~~~


[Nha Trang] 2004

タイトルのニャチャンとは、リゾートエリアとして有名なベトナムの海沿いの都市。
対外的には風光明美なその土地をタイトルに、
均質化されたカゴ編み工場の俯瞰を切り出した作品。
フラクタルな図形のような、反復が、
彼女たちの日常なんだと思うとちょっと怖い反面、
人間社会なんて俯瞰でみればこんなもんなんだろうなっていう、
諦念のようなものもちょっと感じる作品。
~~~


視覚って実は人間の五感の中で一番、信用ならない、だましやすい感覚であって、我々は都合よく脳内で補正をかけながら、人生の断片断片を画として覚えているわけです。グルスキーさんは、そんな我々の「脳的にはこういう風に見えているつもりになっている」画を、写真をいじくって加工することによって、目の前に実際の画として立ちおこしているわけで、なので一見するだけでは、「これの何がそんなにすごいっていわれるのよ?」「写真っていうより、被写体がスペシャルなんじゃないの?」っていう感想になると思うんです。だけど、まあこれは実寸大で実際に微視しないと中々気づけない感覚なんだけど、よく見れば見るほど、何かがおかしい。焦点の当たり方や、視野角の広がり方、見ている本人と被写体の相対関係… 絶対にこうは見えてないはずなんです、本当の人間の目からは。これは【実際に見える景色】ではなくて、【脳的にはこうである】の画なんだと、原寸で見るとふっと気づいて、それがまあ、何とも言えない感覚で、素晴らしかった。でも多分、【脳的にはこうである】は、要するに実際にはこう見えている、であるので、突っ込んだ言い方をしてしまえば、「人間の目では、本当の意味での真実はどうやっても切り出せない」のかもしれないけど。



[Paris, Montparnasse] 1993

パリ・モンパルナス地区にあるアパルトマンの写真。
スティッチング技法で加工されたこの写真には、
パースペクティブがなく、どの壁面に対しても等しく正面から向き合っているような、
不思議な感覚にさいなまれる作品。
(ビルのエントランス通路にはパースペクティブがあるように見える)
~~~

以前、チームラボの猪子寿之氏のセミナー(⇒このポスト)で触れられていた、「パースペクティブ(遠近法)の有無」についての文化依存度考察を思いだしたりしました。西洋絵画や西洋的な視界の定義・捉え方としてのパースペクティブは日本でももう当たり前になっていて、空間を捉えた時、どこかで1点の焦点に集約される形で奥行きを持って世界は捉えられがちなわけです。それに対して日本画は、パースペクティブが存在せず、全ての事物・事柄を全て真正面から捉えたような、焦点の定まらない空間処理をしてきたわけです。マリオのワールドマップや、初期のドラクエのマップなんかも完全にそうだと。

グルスキーさんは、パースペクティブを、写真をいじくることでぶっ飛ばして、「あるようでない風景」を作っているわけだけど、これもまたやっぱり、言われてみないとふとすれば分からないような世界なんだなと。猪子さんも言ってましたけど、「目に映るものは絶対で皆同じだと思いがちだけど、視界ですら、視界こそ、文化依存度が高い。”どう見えているか”は、”どう見てきたか”で決まる」っていうことを、この写真を通じて観る者に、ぬるりと突きつけてきている気がして、こういう物の捉え方が好きだなと思うわけです。

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やはり思うのは、「見えているもの」の不確かさ・曖昧さ。そこにはいろいろな歪やギャップが存在していて、まだまだ沢山、【まだ知らない体験価値】が山ほど眠っていると思うわけです。そういう意味で、とっても示唆に富む展示で、行ってよかった。やっぱり実寸で観ないと、体感は出来ないですよ。PCの画面も【視界を構成する要素】として目に指し挟まっているわけで、それと、壁面に掲げられた作品を直に観るのは違うわけだから。9月中旬までやっている展示なので、お暇なときに是非見てみることをオススメいたします。



[Kamiokande] 2007

岐阜県にあるニュートリノ検出装置「スーパーカミオカンデ」
地下100mにあり、壁面には光電子増倍管が無数に均等配置されてます。
この作品は個人的にはどちらかというと被写体勝ちな気もするのですが、
やっぱり生で目の前にすると、圧巻でした。
~~~


名称
ANDREAS GURSKY | アンドレアス・グルスキー展
会期
2013年7月3日〈水〉→9月16日〈月・祝〉
休館日
毎週火曜日
会場
国立新美術館 企画展示室1E
開館時間
10:00-18:00 金曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
主催
国立新美術館、読売新聞社、TBS、TOKYO FM
後援
、 、 InterFM
協賛
大日本印刷
特別協力
ぴあ
協力
全日本空輸、Sprüth Magers Berlin Lond

2013/07/06

今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2013年上半期

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今年の映画レビュー これまでのものはコチラ↓
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2011年7月

今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年1月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年2月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年3月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年4月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年5月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年前半
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年7月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年8月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年9月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2012年10月

今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2013年1月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2013年2月
今月の”観た!” ~年間100本切りへの道程~ 2013年3月

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2013年もあっという間の後半戦突入で、映画100本観るぞ企画もあと6カ月になったわけなので、どんなの観たっけ?を振り返るメモ。40/100ということで、10本遅れているペースですね、ははは。なんだか今年の前半は、去年一年間の転職テンパリ疲れがちらほら出てしまって、時間がないというよりも「気が向かない」って理由であまり映画観れなかったっていうのが正直なところなんですけど、まあとりあえず。

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aginさんの本棚 - 2013年01月~2013年12月 (40作品)

オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
アメリカン・ヒストリーX [DVD]
俺たちに明日はない [Blu-ray]
ブルース・ブラザース [DVD]
スペースカウボーイ 特別編 [DVD]
M:i-3 ミッション:インポッシブル3 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2 [DVD]
クイズ・ショウ [DVD]
スミス都へ行く [DVD]
Ted [DVD] [Import]
メメント [DVD]
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション [DVD]
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション [DVD]
ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション [DVD]
アダプテーション DTSエディション [DVD]
マイレージ、マイライフ [DVD]
アニー・ホール [DVD]
クラッシュ [DVD]
猿の惑星 [DVD]
スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還 リミテッド・エディション [DVD]
グーニーズ 特別版 [DVD]
スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション [DVD]
スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 リミテッド・エディション [DVD]
SP 野望篇 DVD通常版
SP 革命篇 DVD通常版
相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン〈通常版〉 [DVD]
ホーンテッドマンション 特別版 [DVD]
フライトプラン [DVD]
壬生義士伝 [DVD]
トレインスポッティング [DVD]
劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル 超完全版 (2枚組) [DVD]
トゥルーマン・ショー(通常版) [DVD]
映画 ハゲタカ(2枚組) [DVD]
ディア・ドクター [DVD]
探偵はBARにいる 通常版 [DVD]
カイジ 人生逆転ゲーム 通常版 [DVD]
「カイジ2 人生奪回ゲーム」【通常版】 [DVD]
ファイナル・プロジェクト [DVD]
ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 [DVD]
ソード・フィッシュ 特別版 [DVD]


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なんかジャケットが全体的にゴリゴリしてますねw 自分にしては珍しくSF作品が多いような気もします。この中で面白かったわ―って思って☆5つつけたのは…


  • 俺たちに明日はない
  • ブルースブラザース
  • スミス都にいく
  • 猿の惑星
  • スターウォーズ / エピソード4
  • ビフォア・サンライズ
  • ソードフィッシュ

の7つ。7つもあったのか、あまあまですね笑 

ほとんど、「今更観ましたすいません」と言えるような大名作で、それらはやっぱり大名作だったと感じ入ったわけだけど、不意に良かったのは、「猿の惑星」かなあ。いや正直馬鹿にしてかかったわけですよ。タイトルとコンセプトが突飛なだけのマニア受けB級SF映画でしょうと。でも見てみたらすごく質のよい、これは前のレビューでも書いたけど、キレキレの星新一のショートショートのような、風刺と皮肉の利いた映画でした。ラストシーンの絶望感は相当決まってた(なぜそんな一番いいシーンをジャケットに書いちゃってるのかは不明…)。

今更っていう意味で言うと、断片的にしか観てなかった大作シリーズを一気観したのもいくつかありました。「ロードオブザリング」「スターウォーズ」は、中々重かったけど観たことある!っていう事実が大事な群なので、まあ良かったかと。ロード~~は陰鬱な感じがどうしても勝ってしまって、「ファンタジーは娯楽として明るくワクワク!が必須」と勝手な持論を抱えている自分としては、なんか観てて辛いなあと思っちゃったのが正直なところ。スターウォーズはその点、展開のテンポの良さと、登場人物の心情描写のバランスが絶妙で、改めてさすがルーカスでした。新しいスターツアーズに今こそ乗りたい気分。

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早いとこ10本分の遅れを取り戻して、後半戦もたくさんいい作品を見たいですね。劇場にほとんどいけなかったというのも残念に思っているポイントだったりしますので、なるべくいろいろ観に行きたいね。『風立ちぬ』『清州会議』『許されざる者』『そして父になる』あたり、邦画がアツいと個人的には睨んでいるので、この辺は映画館に行きたいと思います。

仕事は迅速にテキパキとやって、業後映画というハッピーな感じがとっても好きなので、そのためにも、はい仕事頑張ります。

2013/07/03

自分の北極星をまず目指す勇気

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もう7月になって、今年の1月から徐々に引き受けてきた就職活動で社員訪問を受けた学生さんたちがぼちぼち、結果報告をくれます。みなさん本当にお疲れ様でした。


博報堂、ADK、NHK、オプト、MS-Japan、電通PR、
コーセー、日本HP、トヨタ自動車、アマゾンジャパン、GE、博報堂アイスタジオ、
NECソフト、大広、損害保険ジャパン…

(なぜか自社には一人も来ないという点は、何とも言えませんが…


就職先がでかいとか人気だとか、そんなことはもう本当に本当にどうでもよいことで、そんなことはいざその会社に進む彼等が自らも幸せに、世の中に対しても幸せに働き・働きかけられるかどうかからすればきわめて関係のない話なわけです。それにまあ、内定はまだまだ単なる入場券でしかなくて、その先が楽しいかつまらないかは、本人次第だったりするわけだから、何とも残酷な話だけど、しょうがないです。

「お話を聞いて一回、本当に自分が何をしたいのか悩みに悩んでものすごく苦しかった」というのが、共通して言われるお知らせで、何とも申し訳ないなあと思う一方で、結局は、自分のやってみたいことは、自分の中からの初期衝動を大事にするしかないし、そこに極論、客観はあまり大した働きかけはできないんじゃないかなと思うんです。ただ、初期衝動を信じるのは、ものすごく怖い。むき出しの自分に限りなく近いわけだから、それで勝負したり、それを否定されたりすると、立ち直れないくらいへこむと思うんだよね。ただ、本当に自分ではないほかの誰かに、何か、その人自身からだけでは享受しえないハピネスを、自分がかかわることによって少しでももたらすことができるような、そんなことを仕事でしたいと思ったら、初期衝動がないと、そんなの無理だと、最近殊に思います。


ピクサーはプロットをおこすときにマーケティング発想を禁じてます。調査結果から出てきたプロットには、人の熱がなく、そのプロットにはだれも責任や、何より想いを持てなくなるから。極々私的な、これまでの人生で感じた感情から、カールじいさんも、ファインディングニモも、トイストーリーも生まれきたわけです。


そこの社員だからとか、その職種のミッションだからとか、お給料に見合う働きをしないといけないからとか。そこをどれだけ、超えていけるか。そここそに、自分が働くことによって世の中や、かかわってくれる人たちにもたらすことのできる本質的提供価値が決まるんだろうなと、いやーしんどいなあ…と思いながら、やっぱり思うわけです。



ほとんど、自戒で書いてるんですけど。
自分の本質的提供価値なんて、まあ後からついてくることだから。
大事なのは、初期衝動だと思うし、
その初期衝動を仕事でも、信じてみることだと思うんです。
「本当に好きなことは仕事にしないポリシー」という人もいますし、それはそれでいい。
けどじゃあ、何を仕事にするんですかね。
お金や待遇で選ぶのも、まあいいと思うけど、
お金や待遇だけでその仕事を選んでいる人から生み出されるものを
受け取る側の人は、きっと気づくんだろうなと思う。
まあ、気づいてもいいんだけどね。それはそれで、そんなもんだろうから。
でも、何か本当に、仕事において、ああ、自分はここにいていいんだと思えるには、
自分の、あくまでも自分の考え方に過ぎないのだけど、
極々私的な思いは、もっていたいと思うのだよね。

そんな偏った社会人にあたってしまった学生さんたちが、
自分なりに苦しんで見出した道だと思うので、まあよかったんじゃないかなと思います。



間違っててもいいし、だったら後から変えちゃえばいいから、
今見えている自分の北極星を信じて、少しでも近づこうとしてみる。
自分もその気持ちを忘れずに、いいものを作っていきたいと思ったので。

2013/07/01

はいり流チャンスオペレーション

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せせらぎ…?

たまたま録画で見てた「王様のブランチ」のなんかの舞台のインタビューで、片桐はいりが自分の休日の過ごし方を話してたんだけど、それが面白くて。ふと思いついた単語をGoogle検索にかけて、表示されたとこに行くらしいんですわ。たとえば、「今日は”せせらぎ”で行ってみるか」って日は、「せせらぎ」で検索かけて、そこにホントに行くとのこと。

【チャンスオペレーション】っていう言葉があるんですけど。元々は作曲にまつわる言葉で、ジョン・ケージの超有名曲「4分33秒」なんかを語るときに出てきます。【偶発性の音楽】とも言われますけど、あの曲は、まあ、無音のまま4分33秒が過ぎるだけなんですけど、客席のお客さんたちの戸惑いや怒号が徐々に大きくなっていって、席を立つ音、足音がその時間内に変化していくのも含めて、計算通りの音楽でそれが「4分33秒という曲」であるという、まああれです。すべてを決めきるんではなくて、そこに面白いことが偶発的に起こるという器を創っておいて、後はその器の中で起こることに委ねるわけです。社会実験的なプランニング手法とでもいいましょうか。さいころ振って給料を決めることが、愛社精神につながるみたいなあの会社の制度も、チャンスオペレーションって言えるかもね。


片桐はいりのチャンスオペレーションがなかなか面白くてすばらしいなって思ったので何かの企画に活かせないかなと思ってメモポストでした。企画の内容がコントロールしきれないっていう点、リスクは必ず出てきてしまう手法ではあるんだけどね。それこそ、「せせらぎ」で検索してトップに出てくる結果をみてもらえれば分かると思うけど、休日の過ごし方くらいなら、本当にいやだったらやめればいいかもだけど、実際の仕事の企画でやる場合は、オペレーションが最悪の振れ幅に振れた場合どうなるかも、そのオペレーションの中に踏まえてないとならないわけで。リスクヘッジもチャンスオペレーションのうちってことすかね。

企画の手法メモでした。
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