今頃の季節になると、街で多くの、リクルートスーツの学生さんを見ます。そうね、一目で学生さんって分かるような、おんなじスーツを来て、顔が緊張している彼ら。個人的に、彼らの声を直に聞く事はこの国の未来をフォーサイトする上でとっても重要だと思っているので、情けは人のためならず、自分のためにOB訪問を毎年、お願いされたら断らずに受けているのですが、彼らはとっても、なにかに怯えている。
決して強がらず、嘘をつかず、本当に思っていることを話してほしい。僕は面接官ではないし、社畜でもないので、本当のことを、未来のために話そう。そういっていつも学生さんと対峙するように、最近はしているのだけど、彼らの本音はなかなかに暗い。そして、本当にやりたいことをやってはいけない、というようになぜか思っている人が多い。広告業界なんて志す人は割と自由で、仕事に対する夢とか目標が高い人が多い方なのかも知れないけど、それでもそう感じる。周りの目が、この国の将来が、自分自身が、不安で怖いと。もちろんそうじゃない、ギッラギラの子もいるのだけど。
数年前にブログで紹介したことがあるのだけど、山田ズーニーさんが投稿したほぼ日イトイ新聞のおとなの小論文教室が、いいこと言ってるなと思います。就活生には是非読んでほしいと思うので、全文引用します。
それがここ1年で初めて、たてつづけに複数出会った。
その気になったら、こちらから就職先を選べるだろう。
しかし、どの出版社も企画部門は外に出したがらない。
単に好き嫌いを超えたところで、人と人は、つながりあい、
自分と社会とが「へその緒」がつながってみて、思う、
生きていくための養分がたくさん注がれているなあ、と。
その対価である報酬、つまり「お金」を得る、というのが、
言葉がたいそうだが、要は、好き嫌いを超えた部分で、
まわりの人に役立ったり、影響を与え合ったり、という、
単なる友達関係を超えた枠組みでやっていくとなったら、
仕事と同等か、それ以上に骨の折れる行為かもしれない。
ひいては、どんな自分の次なる「居場所」ができるか、は、
そこを通じて、お金も、人も、役立つ情報も、知恵も、
この「金」と「愛」を自分で創意工夫したり、汗を流して、
僕は何も、とりあえず会社に雇われろ、と言いたくてこの文章を引用したわけではないです。「社会」と「自由」について、自分なりに考えるきっかけになってくれればいいと思って、ここに載せました。人は、社会とは無関係で生きられない。だから、社会においての自分のあり方や、その上でのやりたいことについて、自分なりに考えて見つけて、それが成り立つ居場所を見つけないとならないと思う。
「この3つさえ矛盾なく成り立ってそれが伝えられれば、どの会社の面接も受かるよ」と言って、会ってくれる就活生に必ず伝えているうちの持論があるのだけど。
・自分がやりたいことは、本当は何なのか。
・それをやるために、どんな策を持っているか。準備をしているか。能力があるか。
・それは、自分に関わってくれる相手にとってもハッピーなことなのか。
この3つさえ、「社会」に伝われば、多くの場合、応援してくれるはずだよと。就活に置き換えてしまえば相手とは「会社」になっちゃって、なんだかとっても就活対策のTIPSみたいになってしまって嫌なのだけど、これは、何かを誰かと成し遂げる上で普遍的に適用されると思っている。1つ目ばかり強くて危なっかしい人もいる。3つ目でがんじがらめになって、自分が本当に幸せなことが何なのか分からなくなってしまっている人。1つ目と2つ目は完璧なんだけど、それが相手にとってどうハッピーなのか見えてない人。まだまだ揺らがずにこの3つが見えている人なんて少ないのかも知れないし、何なら年齢に関係なく、見えない人はずっと見えないのかも知れない。でも、就活のためではなく、社会の中でなんとかハッピーに近づいていけるように、是非考えてほしいんだよ。ES添削とか、面接テクニックとか、そんなの枝葉末節な後回しにしていい話だよ。大事なことは、どう生きていくつもりでいるか、そっちだと思う。
締め切りに追われて、自分の本当に大事な人と会う時間もなかなかとれず、疲弊していく時期だと思います。でも、どうかなるべくいつも自分が大事にしていることをそのまま続けて、自分が何をしたらハッピーな人間なのか見失わないでほしいです。自分が何をしたらハッピーな人間なのか知っている人は、そのハッピーを成り立たせてくれている周りの人や社会に対してちゃんと感謝できるし、ほかの人のハッピーのために何かしてあげられる人、だと思うのです。偉そうなこと書いてしまったけど、本当にそう思う。
がんばってください。