クルマ用ファブリーズ ラジオCM 「デモクサイヨ」
子供の無邪気さって、ずるいよね。でもこれが正しい反応なんだと思う。正しいこと・第一感情で言葉を発すること、要するに素直でいることが、どうして大人はできなくなってしまうんでしょね。そしてそんな感情を子供に代弁させるとどうして、嫌味なく伝わるんでしょね。まあ、このCMはよくできていて、かつ面白いと思う。
ラジオCMって奥が深いよなあとつくづく思うし、ハッタリが効かないフォーマットだなとも思う。AR3兄弟がWIREDでインタビューした慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦氏が、
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『人間の目って意外とボトルネックなんです。僕から見ると、五感の中で視覚は「ぽっと出の感覚」。だから、バグが多い。生物の進化の過程だと、ごく最近に獲得された感覚。逆にいちばん古いのは、味覚や嗅覚ですよね。ゾウリムシだってもっている感覚ですから。触角もそう。モノが見えるというのは、比較的新しい感覚なんです。だから錯覚が生まれる。』
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と論じていたのが最近、印象的に残っていて。そう考えると聴覚も比較的最近獲得された感覚なのかもしれないけれど、視覚よりは古いってことで、なんだかこれ、古くから備わっている感覚のほうがごまかしが効きづらい気がするわけです。だってそこでバグが出ちゃった生き物は淘汰されてきているという仮説が成り立ってくるから。
だからってわけじゃないのですが、ラジオCMって音だけで世界を描き切って、リスナーの頭の中にそれを想像・創造させるわけだから、それはそれはごまかしが効かないし、奥が深いなあって。音楽ももちろん基本的には聴覚に向かっての表現なのだけど、あれには「リズム」っていう、無条件に身体が喜ぶ要素が入っているから、ラジオCMとはまた違うんだと思うのです。セリフだけで世界を作り、足りない要素をリスナー側に補わせちゃうように仕向ける。すごい匠の技だと思ったとさ。
どの五感に対しての表現なのか、っていう視点は、大事なポイントかもしれないと、メモメモ。
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