2011/09/07

SPBS 作家・ライター養成塾 夏期集中講座 授業ログ vol.2-1

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前回までのログ
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SPBS作家・ライター養成塾 夏期集中講座
SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS主催の添削通信講座、
「SPBS作家・ライター養成講座」の夏期講習版ということで、
計4回の授業に文章で生きて行くうえで必要なノウハウを
ぐっと凝縮した、夏期のちょっとした集中講座です。


SPBS作家・ライター講座の第二回目。第一回終了後に出ました宿題、【個人的な体験】1,000字の添削を通して、実践的目線での文章ライティング技術の講座になりました。添削ということで、もうここは思い切って、赤字を入れられまくった自分の原稿をさらすのが一番分かりやすいと思いますので、まずこのエントリーで赤いれ前の原文を載せて、次回投稿でそれがどのように変わったか、お見せできたらなんて思ってます。では!

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SPBS作家・ライター養成塾 夏期集中講座 その2-1 (8/29)


 -今回の先生方-

 柴 那典/しば・とものり
ライター・編集者。1976年神奈川県生まれ。
99年京都大学総合人間学部卒業。
出版社rockin’on勤務を経て2004年退職、フリーライターに。
音楽やサブカルチャー分野を中心に、
幅広くインタビュー・雑誌記事の執筆を手掛ける。

柳橋 閑/やなぎばし・かん
『Sports Graphic Number』の編集者を経て、フリーのライター・編集者に。
スポーツ、旅、ビジネスなどをテーマに各誌に記事を執筆。
モットーは「自ら体験して書く」こと。


大山貴弘/おおやま・たかひろ
ライター・編集者。1976年香川県生まれ。
出版社勤務、制作プロダクションを経てフリーライターに。

rockin’onなどの音楽媒体やIT系メディア、ビジネス誌などで
取材・ライティングを手掛ける。


自分が出した、【自分の体験について】1,000字の原文


すげー恥ずかしいのは重々承知の上で、自分が書いた雑文・エッセイを下記載せます。ただ、メディアによってその場にふさわしい文体は大きく変わるという、第3回目以降の内容に即して言えば、この文章は紙を想定して書いたものなので、こうやってブログに載せてしまうとそれだけで違和感があるのだと思います。そこはご容赦いただいた上で!


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【祈るように、落水荘】



イギリスの生物学者が、「天使はカラダの構造上、飛べない」という研究を発表し、「無意味に夢を壊すな!」と子を持つ親や宗教家たちから大量のバッシングを浴びたというニュースを聞いたことがある。野暮な“構造的視点”は時にロマンを壊すこともあるのかも知れない。

衝動買いはあまりしないタチだが、会社帰りに寄り道した青山ベルコモンズで見つけた“ソレ”をつい買ってしまった。「レゴ・アーキテクチャシリーズ」の【フランク・ロイド・ライト 落水荘】を、11,550円で。決して安くは無かったが、何かに突き動かされるが如く、即決。小走りでいそいそと家に帰り、早速開封した。

10数年ぶりの“レゴを作る時間”は自分にとって特別な時間のように思えた。外界との通信を遮断し、部屋に篭り、他の何事にも気を取られずに黙々と、説明書の指示に従う。何か考えているのかと言われると、おそらく何も考えていない“無の時間”が自分を支配し、たまらなく心地いい。“没入”とはまさにこのこと。忙殺され気味だった最近の自分の心が欲した時間だったのだろう。約2時間の“ココロの瞑想”の後、落水荘は見事に完成した。

人のカタルシスの類型のひとつとして、「辻褄を合わせる」というものがあるように私は思う。広告会社の社員である自分の普段の仕事は、まさに「辻褄あわせ」の日々。というか、「帳尻あわせ」の日々か。限られた予算と時間、無茶苦茶な上司、それらに相反して膨らむ夢とアイデア・・・ 次々と投下される無理難題を、針の穴を通すかのように着地させ続ける。そのストレスたるや尋常ではないが、やはりその後には“辻褄カタルシス”が存在しているのだろう。

自分にとってレゴは、それらの“生みの苦しみ”を説明書がスキップしてくれた、“辻褄カタルシスのエキス”みたいなものだったのかも知れない。ただただひたすらに、ミスだけ無いようにブロックを積み上げていき、ひとつの構造が立ち上がる、そんな辻褄カタルシス。結局、仕事と同じカタルシスを引き摺っているのかと思うと若干癪なのだが、何事にも得がたいまるで“祈り”のような時間を経て、深い癒しを得られた2時間だった。大満足である。

枕元の落水荘をいろいろな角度から愛でながら、“構造的ロマン”も確かに存在するよなあと思う夜中の2時。次の日、同僚に事の顛末を話すと、「疲れてるんだなお前」と真剣に心配される、そんな危うげなある夏の出来事。

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こうやって読み返してみると自分でいろいろと反省がありますが・・・ 長くなってしまうので、添削結果は次のエントリーにてご紹介いたします。中々自分の文章にしっかりと赤を入れてくれるなんて体験は大人になってからでは中々出来ないので、新鮮だったし。とてもためになったのです。ということで、細々とお楽しみに。


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