2011/06/08

アイデアの得点力

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昨日、広告系のイベントに行った帰りに弊社の営業の先輩に飲みに連れて行ってもらって。そこで話していてふと思ったこと。

アイデアを形にするには、「どれだけ無茶が利かせられるか」がすごい重要なんじゃないかなと。すばらしいアイデアが形になったとき、大きく分けるとそれは2通りあるような気がしていて、

・着眼、発想そのものが唯一無二・前代未聞だったもの
・多くの人が一度は思いついていたけど、誰も本気でやろうと思わなかったものをやったもの

の二つ。どちらの方がすばらしいとかいうつもりはなくて。ただ、一般的に「アイデアが素晴らしい」という場合はなんだか前者の方を暗に指すことが多い気がしますね。「誰もやろうと思わなかったことをやっちゃう」上では、おそらく気が遠くなるような、諦めたくなるような壁がたくさんあるわけで、なんらかの形でそれを突破したからには、やはりそこに「アイデアを実現するためのアイデア」があるんだろうけど。


Stella Artois [The Ritual Project]
JAAA海外研修で訪問したクリエイティブブティック【MOTHER】社で知った事例。
ベルギービール「ステラアルトワ」のインテグレーテッドキャンペーン。
お題は「ステラアルトワの技術・伝統・そのための犠牲というブランドの本質を
今一度ユーザーだけでなく生活者全体に布教する」というもの。
中心にすえたのは「人力9変化OOH」という、なんとも大変なアイデア。
ステラアルトワが大事にしている哲学やおいしさの秘訣を、楽しむ過程を手書きのOOHで日々更新していくという、
聞くだけでフィジビリティが頭をよぎってしまうほどの力作。
実際にOOHを手書きで仕上げて行く人は一流アーティストを個別でリクルーティングし一定数確保。
彼らも自分の作品が広告とはいえど大々的に町に張り出され
メディアに取り上げられるとあって頑張る頑張る!
結果として刻一刻と画が変わっていくOOHはブログ、Youtubeなどで大規模に広まり話題を呼んだ。
最終的にはこのYoutubeの動画のロングバージョンとして作成秘話をムービーにし、
ステラビールが協賛している映画祭のオープニング映像として使用。
キャンペーンの過程自体がCMになるというわけ。
一見、愚直なまでに直球なアイデアだと思うかも知れないけど、それを具現化させるところにすごさを感じる。


SOUR [日々の音色]
SOURの楽曲「日々の音色」のミュージックビデオ。
各グリッドの映像がプラン通りになるように事前に緻密かつ膨大な準備をし、
映像を収録するという作業を繰り返したはず。
Webカメラの映像をただ集めただけに見えるというところが、
この作品の完成度の高さを表している。
 さらに、グリッドを越えWebを越えて触れ合う人々という演出テーマが、
曲のテーマと重なりあっている。映像作品としてすばらしいだけでなく、
ミュージックビデオ本来の目的も達成されている。
作者のプロとしての力量の高さが示された作品


これらの企画をふと思い出して、着眼ももちろん本当に素晴らしいと思うのだけど、「よくやったよなあーー」という、形にするうえでの膨大な作業や計算、マンパワーや時間に感心させられる自分も同時にいて。もしかしたら本当にアイデアが足りていない部分って、その後者のいわゆるフィジビリティの所なのではとも最近思います。「誰もが夢見ていることだけど誰も実現できないこと」を何とか形にしてやるという、企画。本来、技術革新とか研究開発はその視点から始まっていることの方が多い気もしますし、広告業のようなクリエイティビティを生業としている分野でも、そっちの頑張りがもっともっと評価されていいかもと思ったわけです。営業然り、プロダクション然り。アイデアはもちろん、発案者がキングだと思いますが、その後にだってアイデアは必要だよねと。いうなれば、【アイデアの得点力】とでもいいましょうか。得点力のあるアイデアには、得点力のあるメンバーが、きっといつでもいるんだろうね。

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制約との果てなき闘いをを乗り切るのは、センスでも才能でもなく、
手間を惜しまない愚直な心である。
膨大な作業の繰り返しでしか、いいものはできない。
鉄道デザイナー 水戸岡鋭治氏
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だからこそ、チームっていいよね。そういうチームに自分も入りたい、ってか自分で作れたら最高だろうなあ。頑張って、地道に愚直に精進します。

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